Hack109のブログ

ネットワーク、プログラミングなどで学んだことや試してみたことを投稿していきます。

TP-Link ER605でネットワークのルーティングを体験してみた。

 

はじめに

ネットワークのことをしっかり勉強したいと思い、技術書を読んだりして調べることが多くなりました。

www.kinokuniya.co.jp

ネットワークの勉強をしていると、必ず出てくるのがルーティングの話です。

説明を見ればなんとなくイメージはできますが、実際にはどのような設定が必要で、うまくいけばどのように動作するのかが気になるところです。そこで、実際にVPNルータを購入し、ネットワークのルーティングを試してみたいと思います。

 

目標

  • ルーティングの設定の仕方を確認する。
  • 各ネットワークから、別のネットワークにping通信で応答が可能かを確認する。

 

使用機器・ネットワーク構成

ゲートウェイとして使用する機器

今回ゲートウェイとして使用するのはTP-Link ER605です。Amazon9000円台で売られており、VPNルータとしては安価のため、勉強に使用するには最適です。

TP-Link ER605

各ネットワークで使用する機器

有線ルータにDTPC,raspberrypi,無線ルータを接続し、それぞれ別のネットワークに設定します。

 

カテゴリ

機種名

IPアドレス

Wi-Fiルータ

WSR-1500AX2S-BK

192.168.20.254/24

スマートフォン

iPhone 12

192.168.20.100/24

PC①

DESKTOP-FLK5IJ4

192.168.0.2/24

PC②

Raspberry Pi 4

192.168.11.2/24

 

ネットワーク構成図


VPNルータの設定

著作権の問題がありますのでスクショなしで説明いたします。ご了承ください。

 

 

ルータの管理画面にログインする

ルータのLANの設定を行うには、管理画面にログインする必要があります。簡易取説に記載がありますが、LAN側デフォルトのIPアドレスが192.168.0.1となっています。そのため、PCとルータを直接LANで接続し、Webブラウザ上で192.168.0.1を入力することで、簡易画面にログインすることができます。この時、PCDHCPで自動的にIPアドレスを取得する設定にしてください。

 

VLANの設定

ルータを介して別のネットワークと通信を行いたい場合は、事前にルータ側でVLANの設定が必要になります。

 

VLANとは

Virtual LANの略で、1つのLANを複数のネットワークを分割し、データが転送される範囲を限定します。今回の例ではネットワーク構成図の通り、3つのネットワークに分割します。

LANの設定

まずはネットワークリストを作成します。ここでは、使用するネットワークとデフォルトゲートウェイの設定を行います。

 

  1. メニューよりNetwork→LANを選択
  2. LANタブを選択

 

今回は下記3つのネットワークを登録します。DHCPは、DHCP ServerEnabledにしておきます。

 

ID

Name

Vlan

IP Address

Subnet Mask

DHCP Server

DHCP Relay

1

LAN

1

192.168.0.1

255.255.255.0

Enabled

Disabled

2

LAN2

2

192.168.11.1

255.255.255.0

Enabled

Disabled

3

LAN3

3

192.168.20.1

255.255.255.0

Enabled

Disabled

 

インターフェイスとネットワークの割付の設定

インターフェイスとネットワークの割付を設定し、V LANとして登録します。初期値でWANの設定がありますが、今回WANのポートは使用しません。

 

  1. メニューよりNetwork→VLANを選択
  2. VLANタブを選択

ID

VLAN ID

Name

Ports

Description

1

1

vlan1

2(UNTAG)

LAN1

2

2

vlan2

3(UNTAG)

LAN2

3

3

vlan3

4(UNTAG)

LAN3

4

4094

vlan4094

1(UNTAG)

WAN

 

ルーティングの設定

ルーティングとは

TCP/IPネットワークにおける通信において、経路を決定することや次の転送先にデータを転送することをさします。ルータを介して別のネットワークに接続する場合、ルータに対して事前にルーティングの設定をする必要があります。

 

ルーティングテーブルの設定

1つのルータで各VLANを直接接続している場合、ルータに対してVLANの設定を実施すれば、直接接続のルート情報は自動的にルーティングテーブルに登録されます。また、下記の手順で現在登録されているルーティングテーブルを表示させます。

 

  1. メニューより、Transmission→Routingを選択
  2. Routing Tableタブを選択
  3. Refreshをクリック

 

ID

Destination IP

Subnet Mask

Next Hop

Interface

Metric

1

127.0.0.0

255.0.0.0

0.0.0.0

Io

0

2

192.168.0.0

255.255.255.0

0.0.0.0

LAN1

0

3

192.168.11.0

255.255.255.0

0.0.0.0

LAN2

0

4

192.168.20.0

255.255.255.0

0.0.0.0

LAN3

0

各種接続機器の設定

各種接続機器のIPアドレスの設定、無線ルータのルーティングの設定が必要になります。機器によってはファイアウォールの設定も必要になりますが、今回の記事では設定方法は割愛します。

pingで動作確認

各機器から、別のネットワークにある機器に対してpingを実施し、応答が受信されることを確認します。

全組み合わせを確認しましたが、どの組み合わせでも応答が受信されていることを確認できました。

 

 

 

 

宛先

 

 

 

スマートフォン

(192.168.20.100)

PC①

(192.168.0.2)

PC②

(192.168.11.2)

 

スマートフォン(192.168.20.100)

-

要求元

PC①

(192.168.0.2)

-

 

PC②

(192.168.11.2)

-

 

PC①コマンドプロンプトより、pingを実施したときの結果です。

 

宛先:PC②

C:\>ping 192.168.11.2

192.168.11.2 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
192.168.11.2 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=63
192.168.11.2 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=63
192.168.11.2 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=63
192.168.11.2 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=63

192.168.11.2 の ping 統計:
    パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)、
ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):
    最小 = 1ms、最大 = 1ms、平均 = 1ms

 

宛先:スマートフォン

C:\>ping 192.168.20.100

192.168.20.100 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
192.168.20.100 からの応答: バイト数 =32 時間 =45ms TTL=62
192.168.20.100 からの応答: バイト数 =32 時間 =52ms TTL=62
192.168.20.100 からの応答: バイト数 =32 時間 =67ms TTL=62
192.168.20.100 からの応答: バイト数 =32 時間 =65ms TTL=62

192.168.20.100 の ping 統計:
    パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)、
ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):
    最小 = 45ms、最大 = 67ms、平均 = 57ms

 

最後に

まとめ

今回は実際にルータを用いて、ネットワークのルーティングを試してみました。直接接続の場合は、VLANの設定を行うことで自動的にルーティングテーブルに登録され、各ネットワークに接続できることを確認しました。

今後について

iPhoneやRaspberry PiからデスクトップPCping通信しようとすると、ファイヤーウォールではじかれてしまい、応答しないことがありました。そのため、デスクトップPC側で受信の規則を追加する必要があります。その設定方法については、また別の記事で公開します。

 

素材

イラストAC

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